5G市場展望と政府・自治体施策まとめ

今回は5G市場展望と政府・自治体施策まとめです。まずは先日JEITA(電子情報技術産業協会)が発表した5Gの世界需要額を見てみましょう。

電子情報技術産業協会(JEITA)は2019年12月18日、5G(第5世代移動通信システム)の世界需要額の見通しを発表した。5G関連のIoT(インターネット・オブ・シングズ)機器やソリューションサービスが需要増をけん引し、2030年に2018年比で約300倍の168兆3000億円に拡大すると推計した。
出典:https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/06729/

300倍ってすごいですね。ちなみに2018年時点の世界需要額は5000億円で、年平均の成長ベースは63.7%に達するそうです。これだけの市場拡大となると、あらゆる業界での5G導入事例が、これから一気に増えてくることが予想されます。

IDC Japanが2019年8月27日のプレスリリースで発表した日本の5Gネットワークインフラ市場は、2020年に500億円を超え、3年後の2023年には4000億円に達すると予想しています。なお、このうち約2600億円が基地局整備の投資になります(日本における基地局の主要プレーヤーは富士通とNECです)。5Gのソリューション導入などに見込まれる投資は、残りの1400億円前後となるでしょう。

出典:https://media.rakuten-sec.net/articles/print/24638?

世界規模で、5G市場の拡大は既定路線にあり、そこで静観するのか、積極的にプレーヤーとして飛び込んでいくのかで、日本企業と日本のテクノロジーの未来も大きく変わってきそうです。では次に、税制の優遇措置や、自治体の施策関連を見ていきます。

まず日本政府は、次世代通信規格「5G」の通信網整備を促すため、企業投資額の15%を法人税から税額控除することを決定しました。もともと9%に落ち着く予定でしたが、世界的な競争市場の中での日本のポジション確立のため、「9%ではまずい」と安倍首相が物言いをつけて、15%に引き上げられたのです。

5Gは、国家間の「静かな戦争」という側面もあり、日本のアドバンテージを高めていかないと、例えばハードウェア分野ではファーウェイなどの中国製品が世界市場を席捲することが予想されます。5Gを推進する上でどの国と組むのか、そして自国での5Gをいかに早期に・現実的なものにするかは、各国の命題になっているのです。

出典: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53226830R11C19A2PP8000/

経済の重要キーワードに、「デジタル・ニューディール」があります。AIや5Gなど、次世代テクノロジーに積極的に投資し、経済成長につなげていくこのビジョンに基づき、政府は合計で1兆円近い予算を計上しました。例えば、ポスト5Gに関しては1100億円が割り当てられるほか、中小企業のIT化支援に3090億円、学校のICT支援には2318億円が割り当てられます。このように政府は、税制面だけでなく、ICT投資面でも相当前のめりな施策を打ち出しています。

出典: https://www.sankei.com/politics/news/191209/plt1912090047-n1.html

最後に東京都が打ち出した「TOKYO Data Highway基本戦略」について紹介しましょう。これは東京五輪開催後の「デジタル遺産」として5Gによる「電波の道」を残し、それをベースに、都市と社会の発展を図っていく構想です。

<小池都知事の説明資料より>


出典:http://www.senryaku.metro.tokyo.jp/tokyodatahighway/pdf/190828_chiji.pdf

「TOKYO Data Highway基本戦略」の経済波及効果を政府では、約47兆円と見込んでいます(ちなみに東京五輪の経済波及効果予測は約32兆円)。日本での5G活用には、これだけの期待が寄せられているのです。

今、国レベル、都市レベル、企業・自治体レベルそれぞれで5G活用のムーブメントが巻き起こっています。そこでどんな5G導入事例が生まれてくるのか、そしてその浸透が私たちの暮らしや社会をどう変革していくのか、時代のデジタルトランスフォーメーションが始まろうとしています。