光の速さへーNTTの「オールフォトニクスネットワーク/IOWN構想」

ポスト5G、つまり5Gの次に来る技術革新の一つになりますが、今回はNTTが発表した「IOWN(アイオン)構想」に触れたいと思います。ざっくり言えば、ネットワークだけではなく、プロセッサレベルまで「光」で演算を完了しようという壮大な構想。現在の「光ファイバー網→電子回路」への変換が不要になるため、超高速だけでなく、超低消費電力や超低遅延にもつながるフューチャーテクノロジーです。

電力効率100倍・伝送速度125倍・遅延率200分の1のハイパーネットワーク

IOWNの3大特長のひとつが超々低消費電力です。光電子融合型のプロセッサによって、電力効率が100倍になると言われています。メタルケーブルと光ケーブル、そして電気的処理が混在する現在のコンピューティングをすべて光で統一するため、エネルギー変換ロスが激減するためです。例えば、この技術をスマートフォンに例えれば、「1年間充電が不要」なレベルだそうです。いやはや。

2つ目の特長が超大容量・高速転送です。現在の拠点間中継の最速は8テラビットクラスだそうですが、それが125倍の1000テラビットになるというから、もうよくわからない速さです。最後は低遅延です。そもそもTCP/IPプロトコルを使わない設計のため、現在のネットワークと比較して地点間の遅延が200分の1になります。こんなハイパーネットワークを一体何に使えばいいのか。

「ポスト5G」の闘いはもう始まっている

日本政府はデジタル・ニューディール政策の中で、次世代の通信技術「6G(仮)」の開発に1100億円もの追加予算を計上しました。IOWN構想はNTTの発表ですが、5Gの次の時代を担うネットワークテクノロジーの候補として、現実味を帯びてくるのかもしれません。

ちなみに2030年頃の実用化を目指しているそうです。

出典: https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/6798/Default.aspx