5G事例の注目分野は「ローカル5G・IoT・エッジコンピューティング・遠隔医療・オフィスインフラ革命」

アーキテクチャーでは現在多くのIT事例取材を手掛けています。ここに5Gが加わることによって、新たな取材分野が拡大すると考えています。5G事例の注目分野は「ローカル5G・IoT・エッジコンピューティング・遠隔医療・オフィスインフラ革命」です。BtoBの領域において、「+5G」によって新たな価値が創造されるシーンで、マーケティングコンテンツとしての事例が必要とされるでしょう。

日本の5GはドコモやAUなどのキャリアが提供する5Gサービスのほかに、「ローカル5G」という、特定エリア・施設で5G網を構築できる仕組みがあります。特に製造業においてこの恩恵は大きく、従来は複雑な配線が必要で実現できなかった、あるいはWi-Fiでは遅延があり実用性がなかった生産ラインのIoT化の選択肢が飛躍的に広がります。

同時に、現在ITの世界で注目されている「エッジコンピューティング」も5Gと相性の良い分野と考えられます。高速低遅延処理を、クラウド側ではなく、利用者の近くの「エッジ」で処理する場合に、エッジサーバと利用者を結ぶラスト1マイルに、5Gが有効です。5G連携を前提としたエッジサーバの新製品事例も出てくるでしょう。

「遠隔医療」は以前から5Gの有効性が言われてきた分野です。医師不足に悩む地方自治体において、8Kレベルの高精細映像や、大容量のCTデータを遅延なく瞬時に伝送できる5Gは、PoC(実証実験)が先駆的に進んでいます。医師不足・超高齢化社会の医療を支えるために必須の遠隔医療における5G事例は、その取り組みが注目されます。

地味なところでは、有線LANからWi-Fiへと進化してきたオフィスインフラの刷新があります。5Gのテクノロジーは、オフィスビルや工場全体をローカル5Gで「自前の携帯網」で覆うことができるのはもちろん、スマホを外に持ち出せばそのままキャリアの5G網にシームレスにバトンを渡せます。Wi-Fiの利便性はそのままに、さらにビジネスパーソンの生産性を高めることができます。

アーキテクチャーでは、こうした「既存IT+5Gによる付加価値向上」の導入事例制作ニーズが2020年に急増すると見ています。そのために、5Gの基礎知識と国内外動向を広範囲にウオッチし、取材にあたるライターチームの勉強会を2020年1月に予定するなど、知識ベースを整えているところです。