災害対策と5G

コロナウイルスの影響は想像以上に甚大です。広告制作業界でも取材の延期やキャンセルが相次いでいます。特に今回のような「目に見えない脅威」に対してテクノロジーで対抗できる手段はあるのでしょうか。いくつかの事例から考えていきたいと思います。中国では5Gネットワークを用いて、武漢の患者を医師が遠隔診断する仕組みが用いられました。(URL参照)
こうした動きは中国は異常にスピーディですね。実効性がどれほどあったのか分かりませんが、「遠隔医療・遠隔診断」は、疫病災害下の支援策として有効なのは間違いありません。問題は、有事の際に医師や患者があわてずに対応できるように、日ごろから訓練なり、学習なりをしておく必要があることです。これは企業のテレワークでも同じです。

※5G遠隔超音波診療技術、武漢の新型肺炎患者の治療に初使用:http://j.people.com.cn/n3/2020/0220/c95952-9659946.html

今回の一連の騒動では、SNSのデマに踊らされた群衆の集団心理が、二次災害ともいうべき事象を引き起こしました。トイレットペーパーや米などの、本来無関係だった物資が店頭から消えたのです。こうした「異常な集団行動」の発見にも5Gは活用用途があります。(個人情報に関する法規制をどうするかは別として)

ドラッグストアやスーパーマーケットの駐車場に設置した監視カメラ映像を5Gでリアルタイムに収集し、エッジコンピューティングやクラウドでAIが解析。いつもと違う行動が全国各所で勃発していることをアラートするのは難しくありません。もちろん、アラートを受けた後に、政府や自治体がどう動くかというプロセスの整備も必要ですが。

さらにそれら店舗のPOSデータを収集し、各メーカーの在庫情報と照らし合わせ、「そんなに買い占めなくても在庫はこれだけありますよ」という情報を、店頭のデジタルサイネージに即時配信する--。その仕組み自体は、今のテクノロジーを持ってすれば十分可能です。群衆行動を5Gで把握し、購買ビッグデータで「流通実態」を捉えれば、ヒステリー症状を緩和する正確・迅速な情報発信に貢献できるでしょう。

教育の面でも5Gは威力を発揮します。いよいよ日本メーカー各社から発表された 5G スマホの活用です。莫大なデータ量を送受信できる  5G スマホをテレビ会議代わりにして、先生の授業を生配信すれば、簡易的な遠隔授業が可能です。もちろん今の4Gでも同様のことはできますが、いわゆる「ギガが足りない」とか、「帯域不足で画像がカクカク、黒板の字が読めない」といった問題を、ある程度5Gのスペックならカバーできます。

同様に、非常に厳しい環境に追い込まれているエンタテインメント業界においても、ライブや演劇の簡易的生配信に、 5Gは大いに威力を発揮します。今現在、そうしたネット中継を提供している企業・業者には問い合わせが殺到しています。

テクノロジーは、人の社会や暮らしをより豊かに・便利にするために存在します。5Gはその筆頭です。平時だけではなく有事の時にこそ、テクノロジーの真価が問われるのではないでしょうか。