自社のウェブサイトを営業マンとして最大限に活用し、優良な問い合わせ(インバウンド)を獲得するウェブマーケティング。これからは、企業規模の大小を問わず、必須の、あるいは「やっておいて損はない」施策です。特にIT企業の場合は、商品・サービスの体系や、費用対効果の指標が多様なことから、なるべくウェブ上でお客さまの疑問を解消し、問い合わせの精度を高める必要があります。そうしたウェブマーケティングの観点から見て、導入事例はどう役立つでしょうか。
紙やPDFの営業ツールだけで終わらせるのはもったいない
単発の導入事例は、通常、紙のリーフレットとして印刷納品されるのと同時に、企業のウェブサイトにHTMLあるいはPDFデータとして同時掲載されます。もちろんこれだけでも、見込み顧客に対する情報提供に貢献しますし、事例の数が増えれば、必然的にSEO対策にもなります。ただ、もう一歩踏み込んで事例の活用を考えると、より投資対効果を上げ、ウェブマーケティングの考え方に近づくことができます。
新しい事例をどうやって案内しているか?
自社のウェブサイトに事例を掲載しただけでは、新着情報欄にお知らせが乗る位で、積極的なアクセス向上にはつながりません。新しい事例を「見てもらうための工夫」をすることで、営業面での効果を高めることができます。具体的には以下の施策が考えられます。
- 自社メールマガジンで新着事例を紹介
- FacebookやTwitterなど、自社のアカウントで、ソーシャルメディアに拡散
- 導入された製品ページに、ユーザー事例へのリンクやバナーを貼る
- 自社セミナー開催に、ユーザー企業の担当者を呼び、セミナー開催と事例を同時に案内(上記1,2の方法+顧客への個別案内)
- 取材先のユーザー企業に依頼し、ユーザー企業ウェブサイトから事例ページへリンクを貼ってもらう。また、ユーザー企業のメールマガジンやソーシャルメディアで紹介してもらう。
- 事例をキーワードにしたリスティング広告(GoogleやYahoo!への出稿)を行う
- 業界的に見ても特徴のある事例であれば、同時にプレスリリースを出して、メディアに投げ込む
- 新製品のランディングページ(キャンペーンページ)を作成し、そこに、事例のキーワードやユーザー企業の写真を盛り込み、信頼度を上げる
- 事例がとてもユニーク、かつ時代的に最先端なものである場合、全文を掲載せずに、続きを見るために顧客情報の入力を求めるようにする(リードの獲得)
いかがでしょうか?
単に「掲載するだけ」「紙を配るだけ」でなく、予め上記のような施策(のうち実現可能ないくつか)を考えておくだけでも、導入事例をウェブマーケティングにしっかりと役立てることができます。
新しい事例を紹介するときのポイントは?
次に重要なのは、「事例の紹介の仕方」です。ポイントは、「顧客を呼んでくる施策なのか」「顧客に読ませる施策なのか」という判断です。
例えば「1」や「2」の、メールマガジン、ソーシャルメディアでの紹介の場合、事例の紹介はあくまで「さわり」に留めて、「続きが読みたい」と思わせる必要があります。キャッチーなタイトルと共に、「コストが50%削減、その訳は?続きはこちら」という感じです。自社のウェブサイトに、顧客を呼んでくる施策の場合は、施策そのもので全文を載せてはいけません。
逆に、「7」「8」のように、プレスリリースやランディングページの場合は「顧客に読ませる施策」です。そこで完結している必要がありますから、事例のストーリーを結末まで伝える必要があります。ただ、通常の事例記事そのまま(約2500字)では、長すぎるので、要点がそぎ落とされないように、ダイジェストにする必要があります。(プレスリリースなのに、「果たしてその結果は?」という訳にはいかないですよね)
事例は、ユーザー企業が”素直に読める”優良なコンテンツ
振り返ってみると、いろいろな活用が可能なのも、事例がやはり企業の独りよがりではなく、「お客様の声」だからです。そこには絶対的な信ぴょう性がありますし、事例を制作していること自体で、信頼感が増すのは皆様も経験されていると思います。
せっかくの導入事例、一つ一つを、もっとウェブマーケティングに活用してみませんか?アーキテクチャーでは、そうした多角的な事例の活用もご支援させていただきます。お気軽にご相談ください。
まとめ
- 事例は「作った後どう知らせるか」が重要
- ウェブマーケティングの素材として、メールマガジンからランディングページ、プレスリリースまで、多用途に使える
- 事例をお知らせする施策には「顧客を呼んでくる施策」「顧客に読ませる施策」の2つがある