オンライン取材の失敗談4連発!その発想はなかった

オンライン取材のニーズが高まっていますが、その一方で“オンラインならではの”失敗談もよく聞きます。今回は、オンライン取材での失敗を、具体的な例を挙げて解説します。備えあれば憂いなし--と言いますが、まさにその通りで、リアル取材では“現場で何とかなった”ことが、オンライン取材では意外な障壁になるのです。

■失敗例①「空気が読めない・アイコンタクトできない」

取材をしながら、インタビューがあらぬ方向へそれていったり、肝心のことを聞く前に時間切れになりそうになったりした場合、どうしますか? リアルな取材なら、クライアント担当者がディレクターに目配せしたり、ディレクターがライターにそっとメモを渡したりなど、臨機応変な対策が取れます。が、オンライン取材ではそうした軌道修正が非常に難しくなります。

回避するためには、取材ストーリー(≒質問案構成)を明確にしておくこと、事前にディレクターとインタビュアー(ライター)との間で、想定外の流れになった場合の対応について決めておくことが重要です。ディレクターが質問に割って入る場合にも、いきなり発言するのではなく、まずビデオをオンにし、視覚的に“挙手”して「すいません、ちょっといいですか」と、全員に分かる割込みパフォーマンスが必要です。

■失敗例②「参加者が多すぎて誰が発言しているのかわからない」

リアル取材と違い、オンライン取材は参加者を招集しやすいというメリットがあります。一方で、あまりに多くの参加者(インタビュー対象者)が画面に並ぶと、誰の発言か見失ったり、お互いに発言をゆずりあって無駄な待ち時間が発生したりします。

最も厳しいケースでは「1拠点に3人の参加者、しかも全員マスク」というのがありました。分割された画面の中にさらに複数がいてマスクをしているのですから、ほんとに誰がしゃべっているのかわからず苦労しました。

オンライン取材では、参加者(=拠点)の数をなるべく最小限にするのが質の良いインタビューを行うコツです。

同様に「当日の参加者変更、飛び入りのメンバー参加」も控えてもらいましょう。リアル取材では「あ、うちの〇〇です。今日は急ですが技術の説明で呼びました」くらいで何とか済みますが、オンライン取材の場合、名刺交換もできませんから多かれ少なかれ取材が混乱します。

特に取材されるエンドユーザー企業様は「よかれと思って」、別の支社の担当者をオンライン取材に呼ばれることもありますので、あらかじめ“飛び入り禁止”のお願いをしておきましょう。

■失敗例③「会議室に入れない」

オンライン取材が初めての場合、また取材で使うミーティングツールが初めての場合ありがちなトラブルです。取材対象者もクライアントも全員揃っているのにライターがいつまでたってもログインできない場合などは冷や汗ものです。

大前提としては皆が使い慣れているツールを使うこと。もう一つは、取材開始の30分~1時間前から会議室を空けておくことです。参加者の中でツールのログイン、使い方に不安がある方にはその時間帯で一度試しに接続してもらい、音声とビデオのテストをしてもらえれば安心です。主催者側は取材開始時刻まで音声・ビデオをオフにしておけばいいだけです。

■失敗例④「ファシリテーターがいない」

これもリアル取材ではあまり意識されないポイントです。取材の進行や取材後のスケジュール確認など、「あ、では私が説明しますね」というアイコンタクトがオンライン取材ではできません。

(え、これ誰が説明するの? ひょっとして私? いやクライアントさんだよな…)

などと皆が逡巡してしまい、取材進行がぎくしゃくすることがオンライン取材では起こりがちです。事前にクライアントとの間で、当日のファシリテーションを誰が(主に)行うかをきめること。また、「スケジュールは〇〇が説明する」など、説明事項ごとに担当をきっちり決めておくことがスムーズなオンライン取材の最大のコツです。

 

総括すると、オンライン取材ではリアル取材以上に“事前の準備”や“役割分担”が重要です。誰が出席してどんな取材内容になるのかが参加者全員で共有できていれば、むしろリアル取材より密度の高い効率的なインタビューも可能です。

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